【裁判員制度】証拠映像 あなたは直視できますか?
「これでは裁判員がPTSD(心的外傷後ストレス障害)になる可能性もあるのではないか」
日本法医学会の中園一郎理事長がそんな懸念を持ったのが、東京都江東区のマンションで東城瑠理香さん=当時(23)=が殺害された事件の公判だった。「捜索で見つかった肉片の一部です。真ん中のくぼんだ所はおへそです。肉片はすべて5センチ角程度に切り刻まれています」
ひときわ大きな声を張り上げる検察官。法廷に設置された65インチのモニターに次々と映し出されたのは、生々しい骨片49個、肉片172個の映像だった。
殺人事件などの証拠には、残酷で目を覆いたくなるような写真も含まれる。職業裁判官と違い、“免疫”のない裁判員は果たして直視できるのか。
最高検と日本法医学会は「証拠」の取り扱いについて、協議を重ねてきた。学会側からは、「むごい証拠写真を裁判員に見せるのはどうか」といった声も上がった。
だが、最高検は「法と証拠に基づいた立証を行わなければならない。残虐な証拠を見せなければ量刑が軽くなりかねず、遺族感情を害することになる」と反論した。
犯罪被害者支援に詳しい武内大徳弁護士は「裁判員は従来の裁判官と同じ証拠を見るべき。死体損壊事件なら、どう損壊したかが重要な証拠。裁判員は腹をくくる必要がある」と話す。
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そんな裁判員裁判での立証を様変わりさせそうなのが、3次元のコンピューターグラフィックス(CG)だ。東京大学法医学教室の吉田謙一教授らは、CGを法医学に活用する技法を開発。模擬裁判などで実用化している。
米国製のCGソフトを使って臓器や傷口などを立体的に図示。刃物が実際に突き刺さり、血が吹き出すさまをアニメで再現することも可能だ。
専門学校に通ってCGの技術を習得した東大医学部4年の瀬尾拡史さん(23)は、「約3週間、150時間かけて製作した」と話す。
吉田教授は「一般人にはイメージがわきにくいところが、瞬時に見て分かる。解剖書のような血生臭さを避けることもできる」と利点を強調している。
東城さんのバラバラ殺人事件の公判で、証拠の示し方に批判が高まったこともあり、東京地裁では傍聴席に向けた大型モニターの電源をわざわざ落とすケースも出てきた。
裁判官や検察官、弁護士らだけが席に設置された小型モニターで証拠写真などを確認する仕組みだ。
これまでの刑事裁判では、遺体の写真などは傍聴人に示されず、裁判官らが回覧するだけだった。しかし、裁判員制度が目指すのは「見て、聞いて分かる裁判」。傍聴人は裁判員として将来、公判参加する可能性もある。
ある弁護士は「傍聴は、裁判が適切に行われているかどうかをチェックする意味もある。それが損なわれてしまわないか」と、本来の公開法廷の原則に沿って傍聴席にも証拠を示すべきだ、と説明する。
一方で、別の弁護士は「これまでも見せてなかったものを、裁判員になる可能性はあるとしても、ならない可能性もある一般の傍聴人に見せる必要があるだろうか」と疑問を呈する。
「まだ慣れない面もあり、検証を続けている」と最高検幹部。裁判員制度のもとで初めて公判が開かれる夏ごろまで、まだ、試行錯誤は続くことになる。
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5月21日に始まる裁判員制度。裁判に対して“素人”である「あなた」が有罪か無罪を決め、量刑まで判断する。法廷で示される証拠から目をそらさないでいられるか、死刑を選べるのか、そして、自分の下した判断は揺らがないか…。裁判員の「こころ」に、制度が与える影響を探った。
3月29日16時7分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090329-00000544-san-soci裁判員制度の当初から懸念されていたことですが、また再燃したようですね。この件については、CGであろうが何であろうが(人によるでしょうが)やはりショッキングな映像でしょう。
裁判員も人である以上、やはりいやなものはいやでしょうから、関わる事件(裁判)への「参加する、しない」といった権利があたえられてもいいのではないでしょうか。この件はまだまだ論議を呼びそうです。引き続き、関心をもってみていきたいです。